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脚本・編集 そんちゃん

  CAST
ヒカル(開くもの) cv.そんちゃん
リーユン
バルケス
アシャフ
サザンカ
cv.ハロ
cv.まめ鋼
cv.パフェ
cv.Shin
フォルケン
cv.弧鈴



ヒカル:それにしても…あっつい!
    汗が止まんない!べたべたするぅぅ!!
    どこまで行っても砂、砂、砂!
    疲れたよぉ〜〜〜。

    (エデンに背中を押されながらやっと進んでいる状態のわたし。
     今わたし達は、ガルーナで聞いた夜になると砂漠に現れるという『滅びた村』というのを探している。
     
     そろそろ日も暮れてくる。
     当たり前だけど、ここは街灯もない世界。
     真っ暗になってしまうとなにも見えなくなってしまうので、
     目撃情報を元にだいたいの場所に向かおうと思ったのだ。)

    …思った…けど!
    砂漠キツイよぉ!

    (さっきから出てくるのは愚痴ばかり、だってちゃんと見つけられる保障はない。
     目撃情報はいつもばらばらで範囲が広すぎる。
     夜にだけ現れるというのもめちゃくちゃ怪しい。
     だけど、手当たりしだいに行ってみるしか手がかりがないんだもん。)

    …これでなんにもなかったら泣いてやる。
    ぅー、もうここでいいよね?
    この辺でも見たって人いたし…

    (小さな岩陰を見つけ、エデンにすがる様な目を向ける。
     するとエデンはやれやれというようにそこに寝そべった。)

    えへへー!

    (エデンのひんやりした体にもたれて涼む。)

    あー、気持ちいい♪

    (そして…そのまま眠り込んでしまった。)



    うぅ…さむっ!

    (ぶるっと身震いをして目を覚ますと、辺りはすでに暗闇に包まれていた。)

    砂漠の夜は寒いって聞いてたけど、これ程とはね…

    (エデンを起こし、月明かりを頼りに歩く。
     しばらく辺りを探していると村が見えた。

     そこは廃墟だった。数少ない建物も朽ち果て、人っ子ひとりいない。)

    昼間はここも砂漠しかなかったはず…
    ここが『滅びた村』に間違いなさそうね。 
     
    (辺りを探りながら村の中を歩く。しばらくして崩れた壁の影に階段を見つけた。)

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■トキツナギの部屋


ヒカル:(地下の部屋には大きな石版がひとつだけあった。)

    『我が誘いを受けるものは、真実を知る目をもつもの也
     ……正しき心を持つものにも、欲望に血を染めるものにも、我は等しき業の扉を与えん』

    (石版の文字を読み上げた途端、闇に引きずり込まれるような感覚に襲われた。)

    え?なにこれ…!

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■帝都アスファン地下


バルケス:おう、ヒカル、遅かったじゃねえか。


ヒカル:え?あれ?ここどこ!

バルケス:…ああ!?ここはどこかって?!
      何寝ぼけてやがんだ…
      おれたちゃこれからあのラウレンスの妖怪じじいと決戦じゃねえか…
      ほんとに忘れちまったのか?


ヒカル:ええっと…
    (目の前の男は体が大きく、斧までも大きい。いかにも強そうだ。)

バルケス:まさか、モルボルの毒くらったんじゃねーだろうな?
      おめーの名前は、ヒカル。そんでもって俺はバルケスだ。
      ここはアルカディアの帝都アスファンの地下。


ヒカル:バルケス…アルカディア?

バルケス:マルケロもダラスワントもみんな逝っちまいやがって、
      残ってるのはここにいる連中とサザンカだけだ。
      まだ思い出せねーか?


ヒカル:サザンカ…?

バルケス:まったく……おめえ、前にも同じようなことあったよな?
      なんかヤバイもんでもこっそり食ってるんじゃねーのか?

  
ヒカル:そ、そんなこと!

アシャフ:おかえり、ヒカル。リーユンが待ってたわよ。

ヒカル:(わたしの肩をぽんっと叩きながら杖を持った綺麗な女の人が声を掛けてきた。)
     あ…えっと…

バルケス:おう、アシャフ。こいつまた寝ぼけてやがる。
      わかってるとは思うが、いいか?リーユンはあそこの男だぞ。


ヒカル:(意地悪くにやりと笑いながらバルケスが指差した方を見ると、
     青い髪を赤いバンダナで巻いて腰に剣を差した男が仲間に指示を出していた。)

アシャフ:ふふ。おかしなヒカルね。
     まだ準備があるからまた後でね。


ヒカル:(くすくすと笑いながら、アシャフは去っていった。)

リーユン:おお、戻ったか、ヒカル。

ヒカル:あー、えっと…
    (今度はリーユンが近づいて来る。)

リーユン:ラウレンスは宮殿に陣取って徹底抗戦の構えを見せている。
      ここが正念場だ。我々本隊は宮殿の地下を抜けてラウレンスとの最終決戦に挑む。
      しかし、そのためには研究塔にいるフォルケンの結界を取り除かなければならん。


ヒカル:はぁ…

リーユン:サザンカが先行してラウレンスの研究塔へ向かっているが、
      フォルケンの結界が予想以上に強いらしい。

      ヒカルには別働隊としてラウレンス研究塔を突破し、
      サザンカへ『解呪の法』を届けてもらいたい。
      フォルケンの結界をなんとしてでも打ち破らねばわれらに勝機はない。頼まれてくれるか?


ヒカル:え…えっと…

リーユン:……我らの仲間も残り少ない。
      お主以外にラウレンスの研究塔を突破できるほどの手練はもういないのだ……
      いまこの機会を逃せば、アルカディアの作ったこの忌まわしき帝国を打倒することが
      できなくなるかもしれん……今一度考えてはくれぬか。


ヒカル:…わ、わかりました。

リーユン:そうか、たのんだぞヒカル。
      この連戦で戦力を失ったわれらにとって、フォルケンを倒せるのはお主しか残っておらん。
      『解呪の法』はもともと対ラウレンス用の切り札だ。
      その配下のフォルケンの結界ならばこれでなんとかなるだろう。


ヒカル:切り札…。そんな大事な物がなくなったらここのみんなは…

リーユン:なあに、俺達の心配はいらん。
      『解呪の法』がなかろうが、神を殺すよりは楽な仕事だ。
      『解呪の法』必ずサザンカに届けてくれ。


バルケス:たのんだぜ、ヒカル。ラウレンスの野郎は俺たちに任せてくれ。
      あっちで大暴れしてくらあ!帰ってきたらまた一緒にアギル酒呑もうぜ!


アシャフ:おねがいね、ヒカル。これが本当に最期の戦いよ。
     お互い、必ず生きてまた会いましょうね

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ヒカル:なんかわたしを誰かと間違えてるみたいなんだけど…

    考えたって仕方ない!
    頼まれたんだから、急がなくちゃ。

    (エデンと共に研究塔に潜入する。中は邪悪な空気が充満していた。
     次々と襲ってくる敵を倒しながら先を急ぐ。)

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■ランレンス研究搭最上階


ヒカル:ここが最上階?
    あれは…

    (そこには、多分サザンカと思われるローブを着た男の人と…
     何か…靄のような物の向こうに黒い影。)

サザンカ:おお!!ヒカルか!!待ちかねたぞ!
      フォルケンはいま魔族の姿を借りてその魔力を強化している。


ヒカル:じゃあ、あの黒い影がフォルケン?
    あ、そうだ、えっと…これ、『解呪の法』です。

サザンカ:ありがたい。この『解呪の法』さえあればやつの結界もなんとかなるだろう。

      しかし問題はその後だ……『解呪の法』は私の理力をほとんど奪うだろう。
      たとえフォルケンの結界を破ったとしても、フォルケン自身と戦う力は残らないはずだ……

      ヒカル、今フォルケンを倒せるのはお前だけだ……この呪われし帝国に終止符を打ってくれ。
      リーユン達がラウレンスを倒すためには、このフォルケンの息の根を止めなければならん。


ヒカル:やっぱりそうなるんだ…
    まぁ、いいわ!ここまで来たらやるしかないもんね!

    (サザンカが『解呪の法』を紐解き、何か唱え始めるとフォルケンの周りの靄が薄れていく。)

サザンカ:ヒカル、後は…任せた。

ヒカル:(弓を構え、今はもうはっきりと見えているフォルケンに近づく。)

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■戦闘開始


フォルケン:ぐぬう!我が結界を打ち破るとは!!返り討ちにしてくれるわ!


ヒカル:わたしだって、負けるわけにはいかない!

    (狙いを定め、矢を放つ。矢はフォルケンの右腕に刺さった。)

フォルケン:!貴様、この世界の者ではないな?

ヒカル:(そう言うとフォルケンは魔力を解き放った。
     近くに転がった骸骨が人型を取り5体ほど立ち上がる。
     骸骨達はフォルケンを守るように陣形を整えた。

     そこへすかさずわたしとエデンの連続攻撃が決まった。)

フォルケン:…よもや…貴様が『開く者』ではあるまいな…

ヒカル:(フォルケンは何かを唱えだした。頭ではなく体が危険だと忠告する。
     必死でその魔法を避けた。)

    あの魔法…ガルーナで聞いた即死魔法?
    あたったら一瞬じゃないの!

    (次々と撃ってくる即死魔法をぎりぎりのところでかわしながらわたしとエデンの攻撃が炸裂する。)

フォルケン:やりおるわ…

ヒカル:(矢がフォルケンの心臓を射抜き、フォルケンは人間の姿に戻っていった。)

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■戦闘終了後


ヒカル:(そしてそのままフォルケンは血を吐いて倒れた。)

フォルケン:己の運命を呪うがいい……
       貴様がもし『開く者』であるならば、この世界の未来も悪くはないな……ククク

       ……ぐふっ……


ヒカル:また開くもの…開くものってなんなの?

    (しかし、もうフォルケンは動かなくなっていた。

     諦めてサザンカの元へと戻る。
     サザンカはまだ座り込んだままで、立ち上がることも無理そうだ。)

    サザンカ、大丈夫?

サザンカ:お前ならやれると思っていたよ、ヒカル。
      後はリーユン達とラウレンスの戦い次第だな。
      なあに、神さえ倒した男だ、きっとやってのけるさ。

      そう、フォルケンの結界が閉じたなら、どこかに息吹く本があるかもしれん……
      持ち帰ってアシャフにプレゼントしようか……
      少しは私のことを見直すかもしれんしな、ははは……


ヒカル:ふふ。探してくるね。

サザンカ:すまんな、ヒカル。私はとても疲れた……少し…眠らせて欲しい……

ヒカル:(そう言ってサザンカは目を閉じた。
     顔は疲れ果ててはいたけど、呼吸はしっかりとしている。)

    えっと…こっちの部屋かな?

    (奥には小部屋がいくつかあった。
     その一つにサザンカが言っていた息吹く本を見つけた。
     それを眠っているサザンカに持たせる。

     そして…もう一つの部屋で見つけた石版の前に立つ。)

    『時を紡ぐ者はあるべきところへ……』

    (読み上げると、またここに来たときと同じ暗闇に引きずり込まれるような感覚に襲われた。)

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ヒカル:(目を開けると元の砂漠。もう日が高く、じりじりと陽射しが照りつけてくる。)

    戻ったの?
    夢…じゃないよね…?

    (エデンに問いかけながら立ち上がる。

    もう少しソルキアの事を調べたらファンブルグの図書館に行ってみよう。
    開くものについて何かわかるかもしれない。)




〜編集後記〜

今回のクエストは、コンチェでも実装されている反射スキル『リフレクス』と『リフレクト』、そして『ドレイン』が買えます。

フォルケンの所へ行くには、まず最初に蜘蛛のモンスターのモノアイからドロップする『審眼』が必要になります。
ヒカルはあっさり石版を読んでいますが、それがないと読めません(´・ω・`)

そして、滅びた村に行くのも『古の民』を探さないとなんですよね。
これが広範囲すぎて見つけるのに一苦労(´・ω・`)


さてさていよいよ話が難しくなってきましたよっとw

突然ヒカルの目の前に現れた男達。
果たして彼らは何者なのか!?

ヒカルが召還された意味と役割。
徐々に謎が明らかになっていきます。